高齢化社会の到来で看護師のニーズが高まる

団塊の世代(第1次ベビーブーム世代)が75歳以上の後期高齢者となる2025年には、医療・介護サービスの需要はかなり高いことが予想されます。人口の4人に1人が後期高齢者という状況で、医療・介護の施設や職員を十分に供給できるかが懸念されます。
そんな中、2014年の診療報酬改定で打ち出されたのは、必要のない長期入院をなくす代わりに、在宅医療・介護サービスの充実を図るという方針です。これらのニーズを受け、看護師の役割も、疾病の急性期治療の介助や医療施設での患者ケアを中心とするものから、介護施設でのケアに加えて訪問看護、デイケアなどにシフトしていくと考えられます。

高齢化社会では、長く病気を抱えながら生活する人が増え、社会保障費が国家財政を圧迫します。厚生労働省が示した「病院から在宅へ」という流れの中で、国は2025年をめどに在宅医療を推進。在宅医療・介護を支えるために多職種同士が連携しあうことを目的とした、「地域包括ケアシステム」の実現も目指しています。地域包括ケアシステムは、住まい・医療・介護・予防・生活支援といった5つの要素で構成されており、なかでも訪問看護ステーションは中核となるため、看護師のニースも高まるでしょう。

在宅で入浴介助やリハビリテーションを行う場合、設備や介助する人手が足りないケースが出てきます。その際は、デイケアを活用すると安全で手厚いケアができます。この時に看護師は、体温・脈拍・血圧・呼吸数などの基本的なバイタルサインのチェックをはじめ、病気の症状や全身状態の観察をして、患者に負担がかからない有効なケアを提案します。
また、デイケアでは、おやつの時間をとったり、レクリエーションで手先を動かす機会を作ります。高齢者に楽しい時間を過ごしてもらうことで認知症の予防に繋がり、自然な形で情報が得られる機会にもなるでしょう。